「音楽の海岸」村上龍を再読した〜感想・備忘録〜

音楽の海岸 (講談社文庫)

音楽の海岸 (講談社文庫)


・私がこの小説を初めて読んだのは、ちょうど5年前。
 2003年の8月に当時社会人一年目だった私が
 めまぐるしい仕事の洪水の中で、偶然エアポケットのように
 初めて取得できた短い夏休みのことだった。
 

・それは、私のいままでの人生の中で「最高の休日」というのが
 あるとすれば、こういうものなのではないかと今でも感じている
 休日の中での読書体験だった。


・仕事で親しくなった先輩と2人で短い海外旅行をすることになった。
 その先輩は、会社で、タイに女房と子供がいると噂されるほど、
 休みがあればタイに飛んでいくような人で「タイマスター」と呼ばれていた。


・その先輩と一緒にタイに行き、普通の日本人観光客はまずいかないような
 小さな南の島へと飛び立ったのである。島の名前さえ今ではもう覚えていない。


・その島は、ほぼ私たちの貸切だった。
 ほかに何人か若い日本人の男もその島にいたのだが、なんといったらいいか、
 日本国内で女に相手にされない腹いせに、現地に男一人で乗り込んで、
 金で契約した現地の女と海で遊んでいるような奴等だったので、
 男2人で南の島に来ていても何にも気にならなかった。
 
 
・話がそれてしまった。
 で、私は、実質貸切になっていた海岸で、本当に仕事を忘れてリラックスし、
 小説を一章ずつ読み終えるごとに、キレイな南国の海で泳ぐ、
 ある程度泳いだら、また海岸に戻ってきて小説を一章読む。
 ただひたすらそれを繰り返していた。


・ネクラなギャル男にとってこんな幸せな時間の過ごし方はなかったのだ。


・その時、タイの名前もしらないけど最高の南の島の海岸で
 読んでいた小説が村上龍の「音楽の海岸」だった。


・蛇足だが、その旅行では、一日に3回もマッサージを受けたり、
 (タイのマッサージは高くても一時間1000円ぐらいなので、
  何回マッサージを受けても財布は痛くもかゆくもないのだ)
 ことあるごとにウォーターメロンジュースを飲んだりしていて、
 とにかく最高だったのだ。


・それにしても、なぜ日本ではあんなにおいしい
 ウォーターメロンジュースが飲める場所がないのだろうか?


・ウォーターメロンジュースとは、つまり、スイカの果汁を
 ミキサーで絞ったものだと思うのだが、あんなに甘くてヘルシーで
 おいしい素敵な飲み物はないと勝手に思っているのだが、
 日本国内で飲めたことは一度もない。東南アジア限定なのだろうか?
 

・まあ、でも冷静になってみると、ウォーターメロンジュースも
 北海道の人気お土産であるじゃがポックルみたいなもので、
 東南アジアのリゾートでしか飲めないからこそ、
 より一層おいしいと感じるのかもしれないのだけれども。


・まあ、そんな「最高の休日」の最中に読んでいた小説「音楽の海岸」を
 たまたま実家に帰ったときに手にとったのがきっかけで、
 最近また仕事の合間の息抜きに読んでいたのである。


〜途中まで、いったん終了〜