90年代論番外編①「79年世代論」①「1979年生まれ」は「はざま世代」論


ただ、僕らの世代の特徴のもうひとつ特筆すべき点は、
そうしたテクノロジーによる意識の変容の「はざま世代」であるということだ。


僕らをとりまくメディアは、僕らとともに成長していった。


子供のときは、家の電話しかなくて、学校から帰ってから好きな女の子と
どうしても話がしたかったら、相手の家に電話をかけて、
好きな子の親が電話に出るかどうかドキドキしていた最後の世代であり、


中学校に入ると、広末涼子がかつて宣伝していた今はなきポケベルを手に入れて、
少し自由になり、女子学生は、今では少なくなった公衆電話にベルのメッセージを
得意げに早打ちで入れ込んでいた。


高校生になると携帯電話はまだ高価だったけど、PHSという
ほぼ携帯と同機能のものを手にすることができた。

「×××× ××× ××××××××× ×××××
 ×××× ×× ×× ××××」

globe「FACES PLACES」より××
作詞:小室哲哉&MARC 作曲:小室哲哉


FACES PLACES

FACES PLACES


また、ゲームだって最初は8ビットのファミコンから始まった。


小学校の頃は、比較的裕福な家の子供だけが本体を持っていて、
その家に友達がみんなで集まってゲームをやっていた。
カセットがバグって起動しないと「ふーっふーっ」ってやって
もう一度みんなで神に祈りながら電源のスイッチを押していた。
あくまでゲームも最初の頃は僕らの「共通体験欲求」を補充する装置だったのだ。


やがて、ディスクシステム(個人的には「夢工場ドキドキパニック」)
PCエンジン(個人的には「カトちゃんケンちゃん」「定吉七番」)※これはNEC
16ビットのスーパーファミコンと僕らと一緒にゲームも成長していった。
(たぶんSEGAもなんかあった気がするけど…覚えてません。すみません。)


32ビットの当時でいう次世代機には、任天堂以外も多数参戦した。
ソニープレイステーション
セガセガ・サターン(湯川専務だっけ?CMの人)
パナソニックの3DOリアル


もうここまで細分化されてくると、共通体験もくそもないと思いきや、
ドラクエ」と「FF」という共通体験を味わえるゲームが
どのハードから発売されるかでハードを選んでいたのが僕らの世代だ。


風呂敷を広げすぎて、長くなり誰も読まないという
いつものパターンに陥ったため、そろそろ終わりにするが、
要するに僕らは「最後の共通体験欲求を持つ世代」であると同時に、
「共通体験欲求をその個々の成長過程で捨て去り、後天的に
 細分化されたカルチャーの方に行くことも可能だった世代」でもある。
だから「はざま世代」でもあるのだ。


そして特に1979年生まれは、70年代と80年代のはざまに生まれ、
どっちにも行けた世代だと個人的には思っている。


かつて村上龍が「アメリカン☆ドリーム」という本の中で、こう言っていた。
「基地の街で生まれた自分は、アメリカから押し寄せるポップという波と
 ナショナリズムという波、2つの波の波うち際を歩んでいく人間だ」と。


アメリカン・ドリーム (講談社文庫)

アメリカン・ドリーム (講談社文庫)


それになぞらえれば、僕ら1979年生まれの人間は、
「テクノロジーのはざまに生まれた自分たちは、
 電話の線を外して自由に細分化していこうとする波と
 共通体験を持ちたいという波、
 ふたつの波の波打ち際(=はざま)を歩んでいく人間だ」
ということになるのだろう。


とりあえず今回は、目新しい仮説を打ち上げるでもなく
面白い結論にも至らない駄作となってしまったが、
めげずに続けていこうと思う。


とりあえず、小室哲哉氏の裁判の判決が出た記念ということで
お許し下さい。


http://www.j-cast.com/2009/05/11040881.html


(記事引用開始)


小室哲哉被告に懲役3年、執行猶予5年の判決 大阪地裁 2009/5/11


大阪地裁は詐欺罪に問われた音楽プロデューサー・小室哲哉被告(50)に、
懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を2009年5月11日に言い渡した。
これは小室被告が自作の806曲の譲渡話を男性投資家に持ちかけ5億円をだまし取った、という裁判。
求刑は懲役5年だった。


杉田宗久裁判長は、小室被告の犯行は悪質だが、真摯に反省しており、
慰謝料などを含め約6億4800万円を弁済していることから執行猶予を付けた、と説明した。


(記事 引用ここまで)


個人的には、小室哲哉氏の再起を期待しております。
頑張って下さい。


また別にちゃんと小室哲哉論を書きたいと思います。
いつか…ね。


☆上記の記事は歌詞の引用を削除した不完全版になります
 完全版をお読みになりたい方は
 ⇒http://kj-create.seesaa.net/article/434613100.html?1457191493