※ネタバレあり!最後の謎を解説!『トリック劇場版ラストステージ』


2014年明けましておめでとうございます!


2014年1月11日公開『トリック劇場版 ラストステージ



公開初日でしたが、さっそく鑑賞してきました!


見終わったあとの率直な感想は、


“「SPEC」の完結編の100倍はちゃんと作ってるやないか!”


というものであり、とても良かったです。(お金払って劇場で見ていいと思います)


14年間つきあい続けたファンの期待に添えるものにちゃんとなっていたと思います。


(※個人の感想です。補足するとSPECの完結編でちょっとがっかりしていたため、


 あまり期待していないで観に行ったたのが、功を奏しただけかもしれませんが…)


てか、やれば出来るなら最初からやってくれ!


ただ、映画を見終わった方の中には、


出来は良くて映画には満足したけど、「最後なんで○○は○○だったの?」


という部分がモヤモヤして眠れない人もいるかもしれないので、


おせっかいながら、「最後、○○が○○だった」トリックをこれからネタばらししてみます。


以下、ネタばれ注意です!(見たい人だけスクロールして、下へGO!)
































【ここからネタばれ開始】


最後、○○が○○していて本当に良かった!


とみんながみんな思ったと思います。


でもどうやって○○は○○することが出来たのでしょうか?


(ここまで念のため伏字)※以下、完全にネタばれですよ!


もう、いいですかね。そう、これから解き明かすトリックは、


「最後、山田奈緒子が生きていた」のは本当に良かったと思うけど、


どうして生き延びることができたのか?というトリックの種あかし(仮説)です。


「私だって、うすうす生きてるんじゃないか?と思っていたよ」というあなた!


気づいたのは、どの段階ですか?


刑事2人が入浴している時に、「南の島で女の子が発見されました!」っていう


電話がかかってきた時ですか?


もちろん、そこで気づくのも正解です!


でも、そこで気づいただけでは、なぜ脱出できたのか?


というトリックまではたどりつけないのだと思います。


ちなみに、このトリックを解くことが出来た人は、


山田奈緒子が火を液体ガスに引火して爆発が起こった


まさに、その瞬間に「良かった!山田奈緒子は生きているはずだ!」と


思ったはずです。


ヒントは、映画の冒頭の山田奈緒子に仕掛けられたドッキリです。


ピンときちゃいましたか?


映画をもう一回見に行くか、のちにDVDを借りてもう一回みる機会があったら


是非、あの「地底で火が液体ガスに引火して爆発が起きるシーン」を見返してみてください。


そうすればおそらく、山田はあのとき、


「日本のドッキリの時と同じように下に落ちたのだ。だから助かることが出来たんだ!」ということが


一瞬の映像か、少なくとも、ドッキリにかかって出した時と同じ種類の悲鳴を上げることで


わかる人にはわかるようになっているはずです。


では、仮にそうだったとして、なぜ、そんな奇跡のようなことが起きたのか?


それは、まじない師のまじないは「霊能力」だったのか?それとも「トリック」だったのか?


というところがヒントになります。


まじない師のまじないは、「巨大な火の玉が襲ってくる」という予知夢以外は、


「霊能力」ではなく、すべて「トリック」だったということが、


火をつける前までのシーンで明らかにされています。


つまり、まじない師に特殊能力などないわけです。


でも、「地下のガスに自分で火をつけて島の住民は救わなければならない。」


それが「民の救世主」といてかつがれた「まじない師」の宿命なのだと。


上田に向かっていった山田のセリフそのものです。


それにしても、山田が地下の火をつけるべき場所までいったとき


ずいぶん準備がよかったような気がしませんか?


そう、まじない師は自分が死ぬとは思っていなかったので、


自分が壁画の予言通りに、地下におりて、その火をつけようと思い、


事前にいつか火をつけるための祭壇のようなものを自分の手で作っていたのです。


そして、その時、気づいたのです。


「あっ、そうか。爆発したときに、その影響が及ばないところまで、


 自分が逃げれる穴を掘っておけば、死なずにすむじゃないか!」と。


そう、山田は、まじない師が自分が助かるために掘っていた穴に


落ちることによって命を失わずにすんだのです。(たぶん)


山田はあの時、爆発でふっとばされたのではなく、穴を滑り落ちていたのです。


日本で落とし穴のドッキリにはまるところから映画が始まって、


海外のクライマックスのシーンで再びドッキリのように落とし穴にはまったことによって


命が助かる。とても綺麗な伏線の回収「フリ→落ち」。お見事でした。


まさに完結編の名にふさわしい映画に仕上がっていたと思いました。


しかも、山田は助かったんだろうな〜と思っていても、その後のシーンは十分に


じわじわ感動出来て、ちゃんと泣けましたしね。


あと、良かったのはラストシーン。


これは、説明の必要全くないと思うけど、


出会った時と同じことをやって「本人」だって証明するなんて


14年見てきたファンにとってこんなに納得できるラストは


他にないんじゃないか?と思えるぐらい良かったと思います。


ニクい演出ですが、やっぱり「ベタ」に勝るものなし!


仲間由紀恵さん同い年なんですけど、そりゃ14年たてば、


年も取るよね(笑)でも、その「年をとったなあ〜」って感じさせる


ところ(14年前とのカットバック)が、「ああ最後まで見て


トリック見続けて良かったなあ。いいもの見せてくれて、いままでありがとうございました」


という気持ちになって、映画館を後に出来るというすがすがしさ。本当に良かったです。


SPECもこういう気持ちにさせてくれれば良かったのに…。


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ただ、


・SPECの完結編がちょっと消化不良だったのも、


・SPECの完結編は絶対に一本の映画にまとめられたのに


 わざわざ前後編にして1800円×2=3600円も払わされたのも、


・SPECの完結編をみて、もっと前作までの「津田」のフリをうまく使って回収しろよ!


 「プロフェッサーJは女」っていうミスリードがミスリードだったってどっかでちゃんと明示しろよ!


 なんで「卑弥呼」はこれまで出てきたやつじゃねーんだよ!意味わかんねーよ! 


 「両親」の謎の死をうまく使って、大ドンでん返しのストーリーちゃんと作れよ!


 ちゃんと、「その映画だけを見にきた観客」と「シリーズをずっと見てきたファン」の

 
 両方を「あっなるほど!そういうことだったのか!」とうならせる作品作れよ!


 って思わされたのも、全部、全部、ぜーんぶ、


こっちのトリックの完結編を見て、スカッとさせるためのフリ(わざと)だったんじゃねえか?と


ありえない邪推をさせるぐらいいい仕上がりでした。


(あっ、SPECも当麻と瀬文のラストとかは全然良かったと思ってますよ。


 演じた2人もすごく良かったし。ただストーリーテリングと伏線の回収は


 もっとやりようがあったと思うし、もっとテンポをあげて一本の映画にした方が


 よりよいものになっていた可能性があるな〜と思っているだけで…。


 金を2倍払わされたっていうのもあるし(笑)


 ケチがつきやすい分、SPECの方が損してるよね、きっと。)


ともあれ、堤監督のシリーズものが一気に完結してしまったわけで、


今後の堤監督の新展開、さらなる活躍を期待したいと思います。


今日はここまで。