新説!リアル英単語の意味①「art」⇔「nature」


まず、「nature(=自然)」という単語がある。
これの対義語は何か?と考えると、この対義語は、実は「art」である。


なんで「自然」の対義語が「‘芸術’」なんだよって思われるかもしれないが、
「art」という単語の本来の意味「コア」は、「人間が自然に手を加えたもの」という意味である。


「芸術」も「人間が自然に手を加えたもの」の中の一つではあるので文脈によっては、
その訳し方は間違ってはいないのだが、「art=芸術」という覚え方は
長文読解問題を解こうとする受験生にとっても有害である。


長文読解の時は、「art」=「人間が自然に手を加えたもの」として読み勧めていくべし。


確かこれを習ったのは代ゼミ
富田一彦」先生からだった気がするが、どうだったかな。
ほかに可能性があるとしたら、
「小倉弘」先生か、「鬼塚幹彦」先生か、
西きょうじ」先生か「佐々木和彦」先生あたりの誰かだと思うのだが。


で話を元に戻すと、
「自然(natural being)」に「手を加えること(art)」ができる存在が「人間(human being)」だと、
現在の世界標準価値(ワールドバリュー)を創り出している西欧文明の人たちは考えたというのが、
現時点では、人間と自然の関係を表す一番簡潔な表現なのではないだろうか?


なぜ、世界標準価値や西欧文明という概念を持ち出したのかというと、
この自然と人間との関係性の考え方は、
2分法という西洋文明によくみられる価値判断の上になりたつ概念だからである。
まあ現代思想とか哲学というものは、基本的に上記の世界標準価値たる西欧文明の上に
基本的には成り立っているのでしかたないであろう。


蛇足的に言えば、西欧文明の場合は自然環境が厳しいケースが多く、自然を人間と敵対するものとして捉えたため、
なんとか自然を人間に都合のいい状態にコントロールしようという発想が生まれ、
それが「自然に手を加える=art」というものを生み出したのではないだろうか?


一方で日本の場合には、比較的自然環境に恵まれていたため、自然からの恵みに感謝しようという発想の方が強く、
自然に手を加えコントロールしようとする発想ではなく、むしろあらゆる自然現象を
八百万(やおよろず)の神という形で敬い・あがめ奉り、人間はあくまで自然の一部分にすぎない
という発想の中で日々を過ごしていたのではないだろうか?


そんな日本だからこそ、「アートネイチャー」という
英語を母国語として使われている国では、
絶対にくっつかない2つの対立概念の言葉が結びつくという奇跡が起こったのである。


英語を母国語で使っている人で「かつら」を欲しがっている人がいたら、
「アートネイチャー」という日本ならではの奇跡を教えてあげようではないか?
(まあ、「かつら」業界の技術的な意味での奇跡は現在のところ
 「PROPIA」に軍配が上がりそうですが・・・。がんばれ「アートネイチャー」!)


後記)


今回とりあげたような英単語のコアとその日本語意味対応の研究は
昔からやりたかったことの一つなので今後シリーズでちょくちょくやっていきたいと思います。


残念ながら僕は、「欠陥英語辞典の研究」や「英文法の謎を解く」シリーズ
英文法の謎を解く (ちくま新書)」「続・英文法の謎を解く (ちくま新書)」「完結・英文法の謎を解く (ちくま新書 (171))」、
さらに最新刊の「BeとHaveからわかる英語のしくみ―英語国民の思考がわかれば、本当の英語が身につく!
はまだ読んでいないのですが、
おそらく副島隆彦さんが、同じようなことをやってらっしゃるような気がします。
でもまあ、これは僕が今後趣味的に続けていって持ちネタがなくなったところで呼んでみようかなと思っています。


では今回はこんなところで。