自民党大勝・でも10年後は民主党政権誕生か?


9・11総選挙は自民党の大勝に終わった。
岡田さん地味だったもんなぁ。あれじゃ勝てないよな。
でもって大敗した民主党の新代表が今日決まった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050917-00000011-yom-pol


(引用開始)


民主党新代表に前原氏…2票差、菅氏破る


民主党の新代表に選出され、花束を贈られる前原誠司

 
 民主党は17日、衆院選惨敗の責任を取って辞任した岡田克也・前代表の後継に、前原誠司氏(43)を選出した。


 東京・芝公園の東京プリンスホテルで行った代表選で、前原氏が菅直人氏(58)をわずか2票差で破った。
 民主党は40代の新代表の下で、党の立て直しを図ることになる。リーダーの大幅な若返りは、
 巨大与党の誕生で埋没が懸念される野党第1党の危機意識の表れと言える。


 代表選は民主党所属の衆参両院議員による無記名投票で行われ、192人(欠席2人)が投票した。
 有効投票数190票のうち、前原氏が96票を獲得し、94票の菅氏を制した。
 新代表の任期は、岡田氏の残り任期である2006年9月まで。


 前原氏は、代表就任後の記者会見で、「日本の民主主義を機能させ、より良い政策競争を根付かせ、
 国民の生活向上、安定につながるよう努力したい」と述べ、民主党を立て直す決意を強調した。


 今回の代表選で、前原氏は、衆院選で惨敗した党の改革の基本姿勢として、
 「民主党を『闘う集団』に変える」と主張。労組や業界団体などに縛られない政策立案を訴え、支持を広げた。


 前原氏は記者会見で、新執行部の人事について、「党内各グループのバランスではなく、能力主義で適材適所を貫く」として、
 年功序列や“派閥均衡”の人事は極力排除する考えを示した。


 具体的には、野田佳彦・元国会対策委員長菅直人元代表らを主要ポストに起用する方向だ。
 前原氏は17日夜、「野田氏は重要なポストをやってもらいたい。
 菅氏は党になくてはならない人。代表選の結果もある」と記者団に述べた。
 「次の内閣」は規模を縮小する考えを示した。


(読売新聞) - 9月18日1時40分更新


(引用ここまで)


で僕はなんとなく民主党の新代表は知名度の高い菅直人になるのかなと思っていたのだが、
意外にも前原誠司氏(43)という人に決まった。どんな人なのかなと思って、
なんとなくピンときたので調べてみたら案の定「松下政経塾」の出身者だった。
その事実が分かったので、これは個人的に結構エポックメイキングな出来事だと思ったのでその訳を書いておこうと思った。


民主党というのは、はっきり言って寄せ集めの集団である。
しかしながら、ほとんど自民党と主義・主張が変わらない年齢層が上の人たち
(労組や業界団体に縛られている人たち)が主導権を握るのではなく、
松下政経塾」出身者がその大勢をしめる政党になるのであれば、
これははっきりとした意味合いを持った政党になる。
その第一歩が今回の代表戦の結果だったと思うからこそエポックメイキングなできごとなのである。


では、「松下政経塾」出身者とは一体どんな人たちなのか。
一言でいえば政策形成のエリート集団ということになるのだろうが、
副島隆彦の今日のぼやき
「396 松下政経塾の蠢動(しゅんどう)が始まった、遂に本性を顕わしたというべきだ。
 2003.1.26」からちょっと古いが引用する。


(引用開始)


今日は、「松下政経塾が遂にその本性を顕(あら)わして蠢動(しゅんどう)を始めた」を書こうと思います。
この動きが、実は、今の日本の政界の最大の内部の動乱要因なのです。


自民党やら民主党やら、保守新党自由党公明党、などの党派間の争いで、日本が動いているのではありません。
これらの既成党派のどれに、それほどの主張の食い違いがあるというのか。同じ日本人として全く同様の感受性で動いている。
その日本国民の感覚を代表している政治家たちが、集合離散を繰り返している。
私は、彼ら日本人の代表である政治家たちのすべてを尊敬している。一部のアメリカの手先に成り下がっている者たちを除いて。


それで、自民党の中の本物の民族派で、愛国派の政治家たちが、何年も前からひそひそと囁(ささや)きあっていた。
「どうも松下政経塾の連中の動きは怪しい。あいつらは、信用が出来ない」と。
現在、自民党民主党衆議院議員の中に、丁度同じだけの数ずつ松下政経塾出の若い政治家たちがいる。
私は、この人々とも面識がある。その代議士OB会の会長をやっている人に、3年前に言ったことがある。


「なあ。〇〇さんよ。私は、どうも松下政経塾というのは、裏があって疑っている。
一度、あなたが会長をやっているその松下政経塾出身国会議員の会に私を呼んで、話をさせてくれませんか」と私は言った。
それ以来、この件については無しのつぶてである。


目下の日本の「政局」(重要な政治シーン)は、実は、政治家(国会議員)たちの間でひそひそと囁かれている、
松下政経塾の出身者たちの動きに見られる、新党結成とも言える不気味な動きを巡るものである。日本の新聞の表面は、あくまで、

政党政治の基本に基づいて、与党=自民党その他 と 野党=民主党自由党の個々の政策を巡る対立の動き」
として描くことである。こんなものはやらせである。国民洗脳の現段階に過ぎない。


もしかしたら、日本では、もう政党政治は終わったのかもしれない。これからは、


挙国一致内閣=超然内閣=大連立=翼賛政治体制=国家社会主義の時代


に既に突入しているのと思われるのである。この問題についての、経済・金融場面での分析は、有料版の方ですこしやった。


松下政経塾は、松下電器産業の創業者・松下幸之助の遺言で出来た政治家養成の私塾である。学校法人ではない。
いまや地方政治家(市町村議会議員、県議会議員)を合わせると700人にも及ぶ大集団に成長している。
メディア(新聞、テレビ局、出版社)にも出身者が多く在籍している。


私は、そのうちこの特異な政治集団の背景や思想的な成り立ちを、有料版の方に書く。
今日は、後ろの方に最近の新聞記事だけをまとめて載せるに留める。


松下幸之助は、自分の電気会社が成長する過程で、
共産主義=激しい労働組合運動 の脅威から自社(自分の財産)を守るにはどうしたらしいか」を本気で憂慮していた。
そして、イギリスのアーノルド・トインビー(イギリス最高の「冷戦」洞察家。
イギリスのMI6=エムアイシックスという国家情報機関の創設者に等しい。大文明史家でもある)の系統に研究委託した。


それで、アメリカのロックフェラー系統の研究所から指南・報告を受けて、
「道徳再武装運動」(モラル・リアーマメント)に加わった。
それは、日本の反共労働運動の系譜を作った、「民主社会主義協会」=旧・民社党、友愛クラブ、JC中立労連、
という労働組合のイデオローグたちを育てた。
これが、国際自由労連=世界反共労働運動=ロックフェラー労働運動である。


一方で、PHPという出版社・研究所を作って、
「お父さん、お母さん、お客様、地域の皆さんに感謝しよう」と唱える、PHP思想を作って、
それで、激しく闘おうとするソビエト型、中国型の共産主義者たち影響を受けた組合活動家たちを押さえ込んだ。


私は、「オックスフォード・グループ」Oxford Group の系譜である
「道徳再武装運動」MRS Moral Re-Armament が全ての鍵を握っており、その分裂騒ぎの時に真実が表に出た、と分析している。
このMRAについては、日本の高校生向けの英語辞書である「ジーニアス」(大修館書店刊)にも載っている。
「 Frank Buchman が1938年に提唱した世界改造運動、初期の名称はオックスフォード・グループ」と載っている。


従ってこの分裂後のMRAに松下政経塾の本性が隠されている。


(引用終わり)


まあ、別に「松下政経塾」自体はちゃんとした団体だし、怪しい裏がある集団とかは全く私自身は思ってませんが、
松下政経塾出身者の政策形成の方向性・志向性が結果としてアメリカにとってきっと都合のいいものであろうとは私も思うのです。


日本の政治の動向を探るろうとする時に、アメリカ政府が今何を望んでいるのか?という視点を加えると
すごく見通しがいいものになります。今の小泉さんは、アメリカにとって都合がいいからこそ良きパートナーとなっており、
それは小泉さんの長期政権を確実に陰ながら支えています。


しかしながら小泉さんの任期は一応来年2006年9月までである。
仮に小泉さんが任期満了で首相の座から降りた場合、その後の自民党はどうなるのであろうか?
私はある程度元の自民党に戻ると思うのである。今の自民党の状態は異常である。
本気で小泉さんと政策的に同じ人などほとんどいないだろう。
むしろ、「松下政経塾」出身者が中心となった民主党こそが小泉さんの政策に近いはずである。


だからこそ状況はじわじわと変わってくるはずである。
本来の姿(保守的で地方の利益を大事にする)に戻っていかざるを得ない自民党はゆっくりと人気がなくなっていき、
アメリカ政府に好まれる政策を実行しうる「松下政経塾」出身者が中心となった民主党
小泉純一郎のようなカリスマを生み出したとき、一気に政権は本当の意味で交代し、民主党政権が生まれるだろう。
まあ、ざっと見積もってあと10年ぐらいはかかるだろうけど。


ただし、それが日本国民にとって幸せなことかどうかはわからない。
最初に言ったように「松下政経塾」出身者とは一言でいえば政策形成のエリート集団である。
万が一、この人たちが、あたまでっかちなエリートの集まりであるならば注意をしなければならない。
あたまでっかちのエリートの暴走ほど怖いものはないからだ。
アメリカを現在牛耳っているネオコンと呼ばれる人々がいい例である。
実際に軍隊経験の浅いインテリが、戦争の現場を肌で知っている人間の反対を押し切って
戦争を先導しているのである。こういうのが一番困る。


自民党は泥臭いが、将来歴史的に振り返れば、なんだかんだいっても
結果としては人間味のある政策をとってきたという評価になるような気がちょっとするのである。(真実の期間計算by副島隆彦
なんでもかんでも改革すればいいのか?イメージだけじゃないか?本当に改革は自分のためになるものなのか?
日本の国民一人一人がちょっと立ち止まって自問自答すべき時代になってきているな、と感じる今日この頃である。


佐々木敏さんの週刊アカシックレコードより先に民主党政権誕生を予測してみましたが、
実際どうなることか?もっとも僕のはとても科学的予測ではないけれどね。
そういえば「龍の仮面(ペルソナ)」文庫化決定みたいです。早く読みたい。


それではこのへんで。